まずは下面発酵と上面発酵の違いを説明します。
肝心なのは酵母の動きによるもので、下面発酵では発酵の終わりに酵母は沈み、比較的低温で発酵します。
上面発酵では発酵中に酵母が表面に浮かび上がり、比較的高温で発酵します。
日本を始め、世界で最も多く飲まれているのが下面発酵のピルスナーです。
日本のビールは色々な名前でビールを製造していますが、分類ではそのほとんどがピルスナーとなります。
その特徴はのど越しのよさ!!
ベルギーでは、自然発酵のランビックをはじめ多種多様なビールが800種類以上も造られているといわれています。色が黒いものから赤いもの、甘いものから苦いもの、スパイスが入ったもの、フルーツを使ったもの、と実にさまざまな色、味わいのものがあるのです。
「ベルギービールとはこれだ」ということはできません。
ベルギービールは 小麦を使ったビールは「小麦ビール」「白ビール」などと呼ばれます。 また、オート麦を用いる場合もあります。 さらに、一次発酵後に、さくらんぼなどの果物、 砂糖、蜂蜜などを加え、再発酵を起こさせることもあります。 自然発酵により作られたビールにさくらんぼやその果汁を加えて 再発酵を起こさせたものは「クリーク」と呼ばれます。 出来上がったビールに砂糖を加えて提供されることさえあります。
麦芽は使われる大麦自体の種類、乾燥させるときの温度、 湿度によって麦芽の色、香り、風味は変わってきます。 通常、色の違う(培煎の度合いが違う)麦芽を数種類組み合わせるそうです。 なお、小麦を使う場合は発芽させることもありますが、 発芽させないで使うことも多いそうです。
ホップは煮沸してエキスを取り出す方法の他、 冷却した麦汁に乾燥したホップを袋の中に入れてそのまま漬け込み 抽出する方法があります。これをドライホッピングと言います。 苦みが引き立つ他、ホップに含まれるビタミンを破壊せずに ビールに取り出すことができるという利点があるそうです。
酵母の種類と温度によって、発酵のプロセスは大きく2つに 分かれます。
低温(約5℃)で長時間ゆっくりと発酵させるものが 下面発酵 で、発酵末期に酵母が下に沈んでくるところから この名があります。下面発酵用の酵母を使い、 長期間ゆっくりと貯蔵して作ります。 代表的なタイプは、世界中で最もつくられているピルスナー。 下面発酵で作られるビールの総称が「ラガー」です。 透き通ったさわやかな喉越しが特徴です。
高温(約15℃〜25℃)で発酵させるものを上面発酵 。上面発酵用の酵母を用います。 発酵中に酵母が上面に浮かび上がってくることからこの名前があります。 上面発酵で作られるビールの総称を「エール」と言います。 甘味があり、フルーティで香り豊かな味わいです。 ベルギーのバラエティに富むビールは多くの場合、 こちらに属します。
その他、上面発酵の一種でベルギー独特なものとして、 自然発酵 というものがあります。 これは麦汁を浅い容器で空気にさらすことで 野生酵母を取り入れ、 その野生酵母に発酵を起こさせるものです。 野生酵母はその醸造所に住み着いている天然の酵母で、 醸造所の「指紋」でもあります。
樽や瓶の中で、短い場合は一週間、長い場合は3年も醸造所内で 熟成させる場合もあります。 西フランデレン(フランドル)州では酸味の効いた赤いビールが、 隣の東フランデレン州では同様に酸味が効いた茶色のビールが有名です。 この酸味はオークの樽の中で長時間熟成させることにより 出てくる酸味です。 たいていの場合、熟成により味はまろやかになりますが、 この種のビールでは、 熟成させることにより酸味がより増します。
一次発酵が終わったビールにまだ残っている糖分や、 あらたに砂糖、果物や果汁などを加え、その糖分を材料として さらに発酵を起こさせることがあります。 上述のようにさくらんぼやその果汁を加えて 再発酵させたランビックを「クリーク」と称します。
瓶の中で再発酵を起こさせることを「瓶内再発酵」と呼びます。 酵母が瓶の中に酵母をほんのわずかに加える場合もあります。 時には砂糖をわずかに加え、発酵に必要な糖分の足しにします。
様々な種類があるベルギービールの分類は不可能に近いといわれてます。ここでは標準的な分類のご紹介とさせていただきますが、これが全てでない事をご理解ください。
どのカテゴリーにも入らない個性的な、その土地独自の地ビールで、多種多様な味わいがある。概してアルコール度数の高いものが多い
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